若松町の氏神様
若宮八幡宮
正式名称は若宮八幡神社。三つの座が設けられており、祭神は誉田別命(応神天皇)、東座が息長足姫尊(神功皇后)、西座は姫大神(比売大神)。神亀5年(728)に建立されたと伝えられる。社宝は法華経一巻金文字。永保2年(1082)通称八幡太郎、源義家が奥州征討の折、当社に朝敵退散を祈願し、かぶら矢を奉納したと伝えられる。応永2年(1395)、太田道灌が参拝し武運長久を祈願した。源義家公は若松町の山車人形に用いられているほか、祭衣装や山車にはに源氏の家紋である笹竜胆をあしらったデザインが施されている。
同名の神社は日本各地に存在し、多くは「八幡宮の若宮」という意味で、八幡神応神天皇の御子神である仁徳天皇を祀るものであるが、ここは「八幡宮本宮から迎えた新宮」の意味の「若宮」であり応神天皇が祀られている。
室町時代、この神社は府中城内の神社で、下志筑にも国府の八幡神社があったとも伝えられている。下志筑の地は国府(府中)の一部であった。境内には回国供養塔という石碑がある。近代になって京の馬場(若宮4丁目から府中中学校近辺)の摩利支天が合祀された。
天正18年(1590)に佐竹義宣が府中を攻略した際に焼失したが、慶長7年(1602)、別当福蔵坊と伝える僧が本社並びに拝殿を建立する。また寛永4年(1627)、皆川山城守が拝殿建立。寛文5年(1665)領主松平伊勢守が本殿拝殿を修造。
そして元文年間(1736~1740)の頃、八幡神社を管理していた天台宗東耀寺末の若宮山八幡寺別当欽長法印が改築している。
地元では「八幡様」と呼ばれ、毎年10月第二月曜日には若宮八幡宮例大祭が執り行われる。
2017年には、同日に執り行われる金刀比羅神社での「金毘羅神社例大祭」において、若松町の獅子と山車が現地まで巡行した。
本殿は市指定有形文化財。
所在地:石岡市若宮2丁目1-3(若松町公民館の隣)